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中国の陶磁器を理解する上で決して見逃せない唐三彩のラクダとは?

中国古代の人々の暮らしぶりや社会などを最もよく知ることができる陶磁器は何か?と考えた場合、唐代の鉛釉を施した「唐三彩」を見逃すことはできない。「三彩」と名付けられているものの、実際の釉薬の色の数は3色にとどまらず、黄色や緑、白、赤褐色、藍色、黒などがある。ただそのなかでも黄色、緑、白の3色がメインとなっているため、「唐三彩」と呼ばれている。

 

大量に出土している「唐三彩」の文化財を見ると、ラクダをかたどった文化財が多い。ラクダはシルクロードにおける最も重要な移動手段として用いられていた。そして多くのラクダが西域の商人たちと共に、ゴビ砂漠を越え、シルクロード東側の起点の一つである河南省洛陽市まで来ていた。当時の人々は、荷物をたくさん運んでいるラクダをしばしば目にすることができたため、当時の職人たちもラクダを題材にした作品を数多く制作したのだとみられている。

三彩ラクダ(洛陽博物館所蔵)

 

出土している唐三彩のラクダの中でも極めて貴重な作品がある。それは、高さ88センチと非常に大きく、空を仰ぐように頭をあげていななき、今にもこぶを左右にゆらしながら歩きだすような生き生きとしたデザインとなっている。背中には美しい3色の布がかけられ、壺や肉を背負っている。その「主人」である安菩は、西域の安国出身で、父親と共に唐に帰順した後、唐の国境を守るために勇敢に戦い、「五品京官」や「定遠将軍」に任命され、生涯にわたって功績を挙げ続けた。安菩のように、唐に定住した異民族はたくさんおり、砂漠を越えて唐にやって来て、結婚して子供をもうけたり、役人になったり、商売を営んだりして、豊かで楽しい暮らしを送っていた。このように唐は当時、開放的で包容力のある場所として称えられていた。(編集KN)