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歴史と現代が融合する都市・西安

人民網日本語版 2020年07月17日16:21
西安の城壁は、中国で最も古い歴史を誇り、スケールが最も大きく、最も保存状態が良い古代の城壁。その全長は13.7キロで、14世紀に明の初代皇帝・洪武帝が統治している時代に、軍事防御システムとして建設が始まり、その後、何度も修繕、増築されてきた。その城壁は、歴代13王朝が都を置いた古都・西安の誇りとして輝きを放っている。

西安城壁(撮影・袁蒙)

 

西安市臨潼区にある華清宮は、温泉や古代建築物が集まる建築群で、唐の玄宗楊貴妃のロマンチックな恋愛の舞台となったことで知られる。

しとしとと雨が降る華清宮(撮影・寇傑 )

 

「世界八番目の不思議」と呼ばれる「兵馬俑」は、死者の墓に副葬される明器の一種で、人や馬を原寸大でかたどった俑が埋納されている。それを通して、世界の人々は中国古代の初代皇帝・秦の始皇帝の軍隊を目にすることができる。兵士や馬、戦車などの俑があり、うち兵士は8000体以上、戦車は130台、馬は520頭、騎兵は150体ある。1987年9月、フランスのジャック・シラク大統領(当時)は、兵馬俑について、「世界には七不思議があるが、秦の兵馬俑の発見は八番目の不思議と言える。ピラミッドを見たことがなければ、エジプトに行ったことがあるとは言えず、兵馬俑を見たことがなければ中国に行ったことがあるとは言えない」と語った。

秦始皇帝陵博物院(撮影・袁蒙)

 

豊かな歴史だけなく、西安には息をのむような美しい自然の景色も広がる。西安市の南を東西に走る秦嶺山脈は、豊富な地質遺跡があり、雄大な風景が広がり、多種多様な生物が生息している。その素晴らしい環境と、豊かな歴史文化を一目見ようと、世界各地から学者や観光客が訪れる。

秦嶺山脈の驪山の夏を彩る可憐な花(撮影・袁蒙)

 

西安の人々は小麦粉を使った食べ物を好むことで知られている。なかでも最も有名で、人気なのがビャンビャン麺。長く、太く、まるでベルトのような麺であるため「陝西省の八不思議」に挙げられ、唐辛子などをかけて食べる。「ビャン」に相当する漢字は非常に複雑で、その画数はなんと58画。パソコンでも漢字入力することができないため、中国でも「biangbiang麺」と表記されるのがほとんどだ。

伝統的な西安の名物グルメ・ビャンビャン麺(撮影・袁蒙)

 

西安は古代シルクロードの起点で、現在は重要な国際貿易センター。西安は中国西北地区の重要な交通ターミナルで、位置的優位性を誇る西安港国際集■センター(■はてへんに弁)に、中国各地から貨物が集まり、国際定期貨物列車「中欧班列・長安号」に乗せられて欧州各国に輸送される。今年上半期、「長安号」は、前年同期比で2倍の合わせて1667本運行し、輸送貨物の重さは同比1.9倍の合わせて130万1000トンに達した。最先端の鉄道ネットワークが、西安を14ヶ国と結び、中国の新たな商業の中心地となっている。

西安を出発する国際定期貨物列車「中欧班列」(撮影・袁蒙)

 

西安市の南の郊外にある大雁塔南広場の南側にある大唐不夜城(Grand Tang Mall)は、唐の時代の雰囲気が漂う商業娯楽エリアで、パフォーマンスやライトアップショーを通して、古都・西安のかつての繁栄を体験することができる。

大唐不夜城(Grand Tang Mall)で伝統衣装を着た女性パフォーマー(撮影・袁蒙)

 

西安は中国でも有名な文化の中心地だ。西部電影集団(前身は西安電影制片廠)は、1958年に創立された映画製作会社で、中国6大映画グループの一つ。これまでに、映画・ドキュメンタリー300作品以上、ドラマ180作品以上を製作してきた。同社の作品は何度も国際舞台で披露され、これまでに、ベルリン国際映画祭コンペティション部門における最優秀作品賞・金熊賞を含む70以上の国際的な賞を受賞してきた。中国の物語は、西安から始まり、世界へ発信されていると言える。

西影電影(映画)博物館 (撮影・寇傑 )

 

西安は、創造力と想像力にあふれた都市でもある。長い歴史、多種多様な文化を誇る西安の文化クリエイティブ産業は、新星のごとく現れた。クリエイティブデザインやゲーム、アニメ、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)は、西安の新たな経済的柱となっている。西安市政府が最近発表した計画によると、今年、同市は文化観光関連の23プロジェクトに合わせて137億元(1元は約15.3円)を投じる計画だ。

 

西安の唐代テイストの文化クリエイティブグッズ(撮影・袁蒙)

 

(編集KN)

 

人民網日本語版」2020年7月17日